モルモットを長生きさせるのに必要な3つのこと

モルモットの平均寿命は4~7年くらいです。中には10年あるいはそれ以上生きる子もいるようです。

ギネスブックに載っている世界記録は14歳10ヶ月。モルモットの1年はヒトに換算するとおよそ10年くらいですから、14歳10ヶ月はヒトで言うと140歳以上に相当します。これはちょっとビックリですよね。

最近では飼育環境の向上などもあり、長生きできる要因が増えてきているので、もしかしたら、将来的には平均寿命10年!という時代がやってくるかもしれませんね。

今回はモルモットに長生きしてもらうために必要な3つのことについてまとめてみました。

長生きの秘訣は環境整備にあり

モルモットは臆病で、ストレスに対して非常に敏感な動物です。モルモットを飼育する上で、最も気をつけるべき点は「出来る限りストレスを与えないようにする」ということです。

静かな落ち着ける環境を用意すること

常に騒音が聞こえたり、突然大きな音がするような環境は、モルモットとって好ましいものではありません。夜、いつまでも照明がこうこうとついていたり、テレビの音がガンガン聞こえるような環境もよくありません。

すべてを犠牲にしてモルモットに合わせるのはさすがに無理としても、飼うと決めた以上はできるだけの配慮はしてあげるべきでしょう。

飼育環境は常に清潔に保つこと

モルモットは排泄物の量がとても多く、基本的にトイレを覚えてくれない(決まった場所で排泄する習性がない)動物です。ケージ内はちょっと手を抜くとあっという間に汚れてしまいます。ケージ全体を常に清潔に保つことはモルモットの健康を考える上でとても大切です。

また、身体が汚れたら、拭いてあげたり、洗い落としたり、ブラシをかけたりして常に清潔に保ちましょう。

モルモットは皮膚病にかかりやすい動物です。皮膚病は外的なストレスの要因になりかねません。

温度と湿度には気を使うこと

モルモットは熱と湿気に弱い動物です。梅雨時から夏場にかけてはエアコンをフル回転するつもりでいましょう。エアコンが直接当たるのはよくないので、ファンなどを使って部屋の中の空気を循環させ間接的に冷気が届くようにしてあげましょう。

また、モルモットは寒さには比較的強いと言われていますが、それも個体差があるので、必要に応じて冬場の暖房もしっかり管理してあげましょう。

モルモットにとって快適な温度は18~24度、湿度は40~70%くらいです。

ストレスを発散できるものを用意すること

モルモットを含むげっ歯目の仲間(ハムスターやリス、ウサギなど)は基本的に「かじる」ことが大好きです。これはもう本能と言ってもいいでしょう。かじることでストレスを発散します。

ほとんどのモルモットは牧草をたくさん与えておけばそれを噛んで咀嚼して、それがある意味ストレス発散になっているのですが、中にはそんなことでは飽き足らずケージの金網をガシガシかじってしまう子がいます。放っておくと歯の噛み合わせがズレて不正咬合になりかねません。こういう場合はかじり木を噛ませてあげるといいでしょう。

かじり木に興味を示さずどうしても金網を噛んじゃう子には、金網に取り付けるタイプのかじり木を用意してみるのもいいでしょう。

日々のふれあいは相手のペースで

モルモットと暮らす上で楽しみのひとつが「ふれあいの時間」です。可愛いモルモットを抱っこしたり、一緒に遊んだり、ちょっとした幸せを感じられるのがこの時ですよね。

ただ、ここで気をつけなければならないのは、けっして人間本位になってはいけないということです。

時々、飼っているモルモットがなついてくれない、という話を聞きますが、原因はモルモットにとって飼い主がリラックスできる相手でなくなっている場合が多いようです。

つまり、飼い主側の都合で不規則な世話をしたり、思いついた時にふれあおうとしたり、そういった人間側のワガママを押し付けてしまって、それがモルモットのストレスになっているケースが多いのです。

楽しいふれあいがモルモットにとってストレスだとしたらそれこそ本末転倒です。ふれあいはあくまでも強制ではなくモルモットに合わせる形をとりましょう。そうしたコミュニケーションをとっていくことでお互いにストレスのない良い関係を築いていけるのです。

長生きの秘訣はごはんにあり

モルモットは完全草食動物ですが、だからといってやみくもに植物だけを与えていればいいというわけではありません。健康で長生きしてもらうためには栄養バランスを考えたごはんを与える必要があります。

繊維質の豊富なものを選ぶ

モルモットにとって最も大事な栄養素は「繊維質」。健康維持と長寿のためにも、繊維質を豊富に含むものを与えるようにしましょう。

主食として乾燥牧草をたくさん食べるモルモットは胃腸の調子も良く、総じて健康です。アルファルファを主体とした牧草フードは成長期や妊娠授乳期に与えることはありますが、通常は繊維質が多く低カロリーなチモシーが主食に最も適しています。

若いモルモットには硬くて栄養価の高い一番刈りがよく、高齢のモルモットには栄養価がやや低くやわらかめの2番刈りや3番刈りを与えると食べやすいでしょう。

若い子でも好みがあって、硬い1番刈りを好まない場合は、2番刈りでも3番刈りでも良いので、とにかく乾燥牧草を食べてくれるように導いてあげることが大切です。

ビタミンC補給を常に念頭に置く

モルモットは体内でビタミンCを合成できない動物です。食べ物で補給しなければなりません。

ビタミンCは血管や皮膚、粘膜、骨を作るのに必要です。不足すると免疫力の低下、ビタミンC欠乏症といった怖い病気になる危険があります。ビタミンCをしっかり補給することで病気になりにくい体になり、長寿へとつながっていくのです。

ビタミンCを強化したモルモット専用のペレット、新鮮な野菜や果物でビタミンCを補いましょう。ただし、いくらビタミンCを補うためとはいえ与え過ぎはNGです。あくまでも主食は繊維質を多く含む牧草であることは忘れないでくださいね。

食物繊維以外の炭水化物に注意

牧草やペレットを好まないモルモットにはついついいろいろな種類の食べ物を試してしまうことがありますが、嗜好性の良いものが必ずしもモルモットにとって良い食べ物であるとは限りません。

市販のおやつは主成分が小麦などのでんぷんでできているものがほとんどです。与えすぎると腸内で異常発酵を起こし、健康を害する恐れがああります。

長生きの秘訣は観察力にあり

少しでも異常を感じたら素早く対処できるよう、普段からモルモットの状態をしっかり観察しておきましょう。

食欲はどうなのか、飲水量はどうなのか、便の大きさや形・数はどうなのかなど、自分で項目を決めて定期的に記録しておくことが大事です。

モルモットは多少具合が悪くても、それをあまり表に出さない動物です。ウラをかえせば、いかにも具合が悪そうに見えたら、もうかなり重症だと思って間違いないでしょう。

そうなる前に見抜く観察力を養うことは、モルモットを長生きさせる上でとても大切なことなのです。もちろん、状態をチェックすることばかりに囚われて、モルモットにストレスを与えてしまっては元も子もありませんのでご注意を。

まとめ

モルモットの平均寿命は4~7年です。中には10年くらい生きる子もいます。モルモットに長生きしてもらうためには、とにかく極力ストレスを与えないような飼育管理を心掛けることが重要です。また、モルモットに適した栄養バランスの取れたごはんを与えることも健康維持には欠かせません。モルモットの習性を良く知ることと、いち早く異常を見抜く観察力を養うことが大切です。

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