モルモットのビタミンC欠乏症(壊血病) 原因・症状・治療・予防について

モルモットを飼育する上で知っておかなければならない病気「ビタミンC欠乏症」についてまとめてみました。

原因は?

モルモットは体内でビタミンCを合成することができません。ヒトやサル、オオコウモリと同じようにビタミンCを食べて補給する必要があります。

常にビタミンCを含んだフードかサプリメントを与えるなど、食餌の管理には細心の注意を払わなければなりません。

ビタミンCの補給だけを考えるのであれば新鮮な野菜や果物をたくさん与えればいいのでしょうが、それではモルモットにとって最も大切な栄養素である繊維質が足りなくなってしまいます。バランスの良い栄養を考えると、牧草、ペレット、野菜を上手に組み合わせて与える必要があります。

ビタミンCを強化したペレットは長期保存が難しい面もあり、いつのまにかビタミンCが劣化・減少してしまったものを与えられていたモルモットは慢性的にビタミンC不足へと陥っていきます。そこに、別の原因で体調不良が重なったり、何らかのストレスが加わったりすると、ビタミンCを大量に消費してしまい、その結果欠乏症を引き起こすことになります。

どんな病気なの?

ビタミンCはコラーゲン(動物の皮膚、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質)の生成に関係するので、これが欠乏すると皮膚や血管、骨、関節に異常があらわれます。

症状としては、毛並みの悪化、食欲不振、体重減少、下痢、不正咬合になる、歯ぎしりする、痛みのために鳴く、傷の治りが遅くなる、うまく歩けなくなる、免疫力が低下し感染症にかかりやすくなる、肋軟骨結合部が腫れる、出血しやすくなる、などが見られるようになります。

症状が進むと関節周辺の内出血と痛みで動くのを嫌がるようになります。モルモットにとってはかなり辛い病気です。

治療方法は?

まずはビタミンCを投与しなければなりませんが、明らかな異常が見れらるようなら病状はかなり深刻だと思って間違いないでしょう。市販のビタミン製剤で様子を見ずに動物病院でしっかりとした診断・治療を受けるべきでしょう。

食欲が低下しているのなら注射で、経口摂取が可能ならば内服で、いずれにしても体重1kgあたり50~100mgのビタミンCを投与しなければなりません。

また、ビタミンCだけでなく症状に合わせたその他の薬、例えば関節痛がある場合は消炎鎮痛剤などの投与も必要でしょう。

予防できるの?

ビタミンC欠乏症は、食べ物を通じて十分な量のビタミンCを摂るだけで防げる病気です。毎日のきちんとした食餌管理が大切です。

牧草、ペレット、野菜をバランスよく与えるのはもちろんのこと、ビタミンCが劣化しないようそれぞれの品質管理も重要です。

牧草は密閉遮光した容器に乾燥剤を入れて保管することが大事ですし、ペレットもしかり。ビタミンCが劣化することを想定し、全部使い切るまで使わずにこまめに新しい袋に変えていくようにする、野菜は新鮮なものだけを与えるようにする、などは是非徹底してもらいたいものです。

モルモットが1日に必要なビタミンCの量はおおよそ15~25mgですが、ストレス下や妊娠中などではもっと多くのビタミンCが必要となります。野菜の成分表などを参考にして、足りない分はサプリメントなどで補うことも検討しましょう。

ビタミンC過剰症はあるの?

ビタミンC過剰症というものは特にありません。ビタミンCは水溶性ビタミンなので、過剰に摂取したとしても余分なものは尿中へ排泄されます。

多少の過剰摂取は特に問題とはなりませんが、だからといってあまりにも大量のビタミンCを与えつづけるのは得策ではありません。いくらビタミンCを強化する必要があるからといっても際限なく与えていいというものではありません。

まとめ

モルモットは体内でビタミンCを合成することができないため、食べ物でビタミンCを補給する必要があります。食べ物からの摂取が足りなくなるとビタミンC欠乏症(壊血病)になります。ビタミンC欠乏症になると皮膚被毛、血管、骨、関節に異常があらわれるようになります。治療はビタミンCの投与が中心で、必要に応じて消炎鎮痛剤の投与も行います。食べ物を通じて十分な量のビタミンCを摂るだけで防げる病気です。ビタミンC過剰症という病気は特にありません。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
レクタングル(大)広告

シェアする

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告