モルモットを飼育するとき、日本では1頭でも問題なく飼うことができます。むしろ1頭で飼う方がよく人になついてくれるから、という理由で単独飼育をすすめるお店の方が多いくらいです。また、1頭ずつの方が、その子のごはんの食べ具合や排泄の様子なども確実に把握できるというのも単独飼育をすすめる理由のひとつなのでしょう。
ところが、そういう飼い方をすると違法となる国があります。
スイスのモルモット飼育に関する独特の法律とは?
スイスという国は実にユニークな国だと思います。なぜならば私たち日本人にとってビックリするような法律がたくさんあるからです。
例えば、午後10時以降トイレを洗い流してはいけない、日曜日に車を洗車してはいけない、など、思わずギャグですか?と言いたくなるような決まり事がたくさんあるのです。
もちろん、これに関しては「水を節約するため」や「騒音などで他人に迷惑をかけない」という崇高な精神に基づくものですから、ある面私たちも見習わなければなりません。
ところで、前述のモルモットの飼育に関してですが、スイスにはこれにも独特の法律(というより先進的な法律と言うべきかもしれません)があります。
それは、ペットを単体で飼ってはいけない、ということです。
2008年に施行された広範におよぶ動物の権利関連法により、群れで暮らす習性のある動物を一頭だけで飼うことはイコール動物虐待と見なされ、違法となることが決まっているのです。
つまり、飼うことは自由ですが、1頭で飼ってはいけないということです。もともと群れで暮らす動物たちに寂しい思いをさせないぞ!という動物愛護の精神を思いっきり引き上げた形の法律なんですね。
これにはモルモットだけでなくインコ、そしてなんと金魚までもがこの法律の対象となっています。
ペアの片方が亡くなったらどうするの?
2頭のモルモットを飼っていれば、いずれ片方が亡くなってしまうわけで、そうなるといきなり違法になってしまうところが問題です。
急いで新しいモルモットを迎え入れるか、残ったモルモットを手放すかの選択を迫られるのですが、新しいモルモットを迎え入れても、今度は先住モルモットがいずれ亡くなり。。。
このように2頭が(あるいはそれ以上の数でも)一緒にタイミングよく天寿をまっとうするわけではないので、延々と新しい子を迎え入れなければならないというサイクルになってしまいます。
そこでその問題を解決すべく現れたのが次にお話するモルモットのマッチング代理業者というわけです。
大流行!?モルモットのレンタル業者
上記の法律ができたのちにモルモットのレンタル業者が流行ったそうです。
ペアで飼っていた片方が亡くなってしまったときに残されたモルモットと年齢が近いモルモットをレンタルできるというサービスですが、これがとても人気で、だいたい50~60スイスフランでレンタルできるそうです。
これが安いのか高いのかはよくわかりません(^_^;)
ですが、スイスという国がモルモット(モルモットだけでなく動物全般)に対して本当に優しい国で、国民全体でそれをしっかり推しすすめていこうとしているところが実に素晴らしいと思います。
まとめ
スイスではモルモットを単独で飼育してはならないという法律があります。モルモットだけでなくインコ、そして金魚もこの法律の対象となっています。もともと群れで暮らす習性のある動物を1頭だけで飼うことは動物虐待と見なされるのです。ペアで飼っていた片方が亡くなってしまったときのためにモルモットのレンタル業者が人気です。