モルモットに与えるキャベツの量は?注意すべき成分とは?

キャベツは一年中手に入るとても身近な野菜です。ほとんどのモルモットはキャベツが大好き。いくらでも食べさせてあげたいところですが、モルモットにとってキャベツは本当に安心できる食べ物なのでしょうか。キャベツの栄養素やごはんとして与える際の注意点などについてまとめてみました。

キャベツの栄養素について

キャベツには、ビタミンCや食物繊維、キャベツ特有のビタミンU(別名キャベジン)などが含まれています。その中からモルモットに関係の深い成分についてピックアップしてみました。キャベツは調理方法によって栄養価が変わってきますが、モルモットの場合は生のままで与えるので、茹でたり炒めたりすることは一切考慮しないでお話させていただきます。

ビタミンC

キャベツにはビタミンCがたくさん含まれています。その含有量は文部科学省の成分表によると100g中41mg。モルモットが必要とするビタミンCの量は1日あたり約15~20mg(妊娠中や授乳中は30~50mg)ですから、大きめの葉っぱならおよそ1/2枚で足りることになります(大きめの葉っぱ3枚でビタミンC100mgくらいです)。体内でビタミンCを合成できないモルモットにとっては、ビタミンCを豊富に含んだキャベツは手軽に補給できるありがたい食べ物です。さらにこれが芽キャベツならビタミンCはなんと100中160mgも含まれているそうです。

食物繊維

キャベツにはそれほど多くの繊維質は含まれていません。100g中1.8gくらいです。パセリ(100g中6.8g)やブロッコリー(100g中4.4g)と比べると繊維質の含有量は半分以下。モルモットにとって最も大事な栄養素が繊維質であるという点で考えると、キャベツはやや役割不足かもしれません。ただし、芽キャベツには一般的なキャベツの2倍以上の食物繊維(100g中5.5g)が含まれています。

葉酸

キャベツは葉酸の含有量が比較的高い野菜です。葉酸は体の細胞の生まれ変わりや成長をサポートするという大切な役割を持ったビタミンの一種。特に妊娠・出産の時期にはとても重要な栄養成分です。キャベツの葉酸含有量は100g中78mgですが、芽キャベツにはなんと240mgも含まれているそうです。

ビタミンK

ビタミンKには血液凝固作用があり、出血しても止まりやすく、かすり傷などの治りが早くなる効果が期待できます。また、骨にあるタンパク質を活性化して丈夫な骨を形成する働きをしてくれます。キャベツにはビタミンKがたくさん含まれています。反対にビタミンKをほとんど含まない野菜はサツマイモやトマト、ニンジン、パプリカ(赤ピーマン)など。おもしろいことにパプリカはビタミンCを最も多く含んでいる野菜ですが、ビタミンKはほとんど含んでいません。キャベツは両方とも比較的多く含んでいるのでバランスがとれている野菜と言えるでしょう。キャベツのビタミンK含有量は100g中78mg、芽キャベツは150mgです。

ビタミンU(キャベジン)

キャベツはビタミンUを多く含んでいます。ビタミンUは別名「キャベジン」。胃酸の量を調節し、過剰な分泌を抑えることで胃酸過多によるトラブルを防ぎ、胃や十二指腸の健康を保つのに優れた効果があります。キャベツから発見された成分ということでキャベジンという名前がつけられました。胃腸薬の「キャベジン」もこの成分が名前の由来となっています。

カルシウム

キャベツのカルシム含有量は100g中43mg。パセリやダイコンの葉、カブの葉と比べると1/4以下なので、それほど高い含有量ではありませんが、尿結石のできやすいモルモットには注意が必要でしょう。芽キャベツのカルシウム含有量は100g中37mgです。

気になる成分について

シュウ酸

キャベツにはシュウ酸が比較的多く含まれています(100g中100mg)。シュウ酸は体内でカルシウムと結びついてシュウ酸カルシウムとなり、やがてそれが結晶化すると尿結石となるので注意が必要です。ただし、パセリ(100中1700mg)やホウレンソウ(100g中970mg)、ニンジン(100g中500mg)と比べたら、キャベツのシュウ酸含有量はずっと少ないので、キャベツを適量食べるだけならシュウ酸カルシウム尿石ができる心配はそれほどしなくても良いでしょう。よほど毎日大量に食べ続けるのでなければ問題は起こらないはずです。注意しなければならないのは「芽キャベツ」です。芽キャベツのシュウ酸含有量はかなり高いので(100g中360mg)、普通のキャベツと同じ感覚で与えてしまうとシュウ酸カルシウム尿石ができてしまう危険性も高くなります。

ゴイトロゲン

キャベツや大根、ブロッコリー等のアブラナ科の野菜にはゴイトロゲンという成分が含まれています。ゴイトロゲンはヨウ素の取込みを阻害します。甲状腺ホルモンを生成するために欠かせないヨウ素が足りなくなると、甲状腺はホルモンを生成しようとしてより活発に働き、その結果腺が大きくなります(甲状腺の肥大・甲状腺腫)。ゴイトロゲンを大量に摂取すると、ヨウ素の取込みが阻害されるので、結果として甲状腺ホルモンが少なくなる(甲状腺機能低下症に陥る)恐れがあります。しかしながら、モルモットの甲状腺機能低下症というのを管理人はみたことがありません。非常にまれな病気だと思われます。となれば、そこまで心配する必要はないのかもしれませんね。

まとめ

キャベツはモルモットに関係する栄養成分においてバランスのとれたとても与えやすい野菜です。ビタミンC補給という目的なら大きめの葉っぱ1/2枚くらいで十分です。シュウ酸やゴイトロゲンなど注意すべき成分もありますが、よほどキャベツばかりを大量に毎日食べ続けるのでなければ問題が起こる心配はほとんどないと言ってよいでしょう。野菜はキャベツだけでなく、できるだけいろいろな種類のものを適量与えるようにしましょう。キャベツと芽キャベツの成分はかなり異なるので与える際には注意しましょう。

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