モルモットを飼いたいけれど、においが気になってちょっとためらってしまう、という話を時々耳にします。
確かに、モルモットは独特のにおいがします。でもそれはモルモットの体そのものがにおうのではなく、モルモットの体に備わっているあるものが大きく関わっているのです。
モルモットのにおいの正体とその対処法についてまとめてみました。
目次
モルモットのにおいの正体は?
臭腺
モルモットの臭腺(特別な皮脂腺:においの分泌腺)はお尻の上、腰の部分にあります。普段でもここから多少の分泌液が出ていますが、発情期になるとこの量が増えて独特の嫌な臭いを発します。臭腺はオスの方がメスよりも発達していて、においも強いです。黒っぽいベタベタしたあぶらのようなものがこびりついてみえます。
臭腺以外の皮脂腺
モルモットの肛門周囲と臀部には皮脂腺が密に存在しており、ここから出る分泌液は皮膚や被毛の表面をコーティングし、保護保湿の役割を担っています。この分泌液には独特の臭いがあり、モルモットがくさいといわれる一因になっています。
皮脂腺は首から背中にかけても存在しますが、これに関してはどの書籍にも詳しく書かれていません。こちらはにおいのもととしてはあまり問題視されていないのかもしれません。
排泄物
モルモットは身体の大きさに似合わず、大量の糞尿を排泄します。しかも基本的にトイレを覚えてくれない動物なので、ケージ内のすべてが排泄場所であり、そのアンモニア臭はバカになりません。ただし、糞尿そのものがくさいというよりは、肛門周囲から分泌された皮脂腺が糞尿に付着して、それが嫌なにおいを増幅させているようです。
病気かも?
モルモットの皮膚はとても繊細です。皮膚疾患がもとで異臭を放っていることもあります。また、口腔内に異常があるとよだれがにおったり、お腹の調子が悪いとガスが出て異臭を感じたりすることもあるでしょう。健康時のにおいとの違いがわかるよう、普段からしっかり観察しておくことが大切です。
モルモットのにおい対策は?
臭腺の対策
モルモットの臭腺のにおいがきつくなるのは発情期であり、しかもオスの方がメスよりもにおいが強くなります。発情期は不定期で、しかもしょっちゅう発情することも珍しくありません。そうなるといつもにおいに悩まされることになります。あまりにもにおいが気になるようなら、動物病院で去勢手術を受けるのも一つの対策方法です。
皮脂腺(臭腺以外)の対策
モルモットの皮脂腺は肛門の周りと臀部に密集しています。この部分のにおい対策はとにかく清潔にするのが一番です。小動物用の安全な消毒液などで拭いてあげるのがいいでしょう。臭腺もそうですが、不衛生な環境下だと分泌液や排泄物などで腺組織が炎症を起こしてさらなる悪臭のもととなります。あぶらであまりにもベタベタする場合はシャンプーすることも検討しましょう。
排泄物の対策
排泄物のにおいは床材をこまめに変えることで防げます。ケージ内の掃除は毎日かかさずきちんとやりましょう。床材にはペット用のシーツやトイレ砂を使うとにおい防止に効果的です
病気の対策
普段からモルモットの健康状態をしっかり観察することで対処しましょう。異常を感じたら早めに主治医に相談することをおすすめします。
まとめ
モルモットの身体そのものにはさほど強いにおいはありません。においの原因は皮脂腺と発情期の臭腺。これらの分泌液は独特のにおいを放ちます。また、排泄物そのものに強いにおいはありませんが、なにしろ排泄量が多く、肛門付近の皮脂腺からの分泌液が付着すると嫌なにおいを放つようになります。においに関しては、モルモットの体と飼育環境をできるだけ清潔に保つことで対処するようにしましょう。