私たちがよく食べている果物のほとんどはモルモットが食べても大丈夫です。ただし、なかには絶対にあげてはいけないもの、なるべくあげない方がよいもの、あげても大丈夫かどうかわからないものなどがあるので、その点は注意してあげるようにしてくださいね。
今回は、果物の中でも秋の味覚「柿」についてお話したいと思います。
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目次
モルモットが食べられる果物は?
モルモットには私たちが食べている果物のほとんどは与えても大丈夫です。通常私たちが食べている、ミカン、リンゴ、イチゴ、バナナ、パイナップル、キウイフルーツ、ナシ、モモ、カキ(甘柿)、パパイヤなどは、モルモットが食べても大丈夫な果物として知られています。パパイヤは生で与えることはほとんどありません。乾燥させたものをおやつとして与えます。
モルモットに柿をあげるメリットは?
五訂増補日本食品標準成分表と米農務省標準的基準栄養データベースによると、柿(甘柿)に含まれるビタミンCの量は、ミカン、リンゴ、イチゴ、バナナ、パイナップル、キウイフルーツ、ナシ、モモ、カキ、パパイヤの中で最も高く、食物繊維の量もキウイフルーツ、パパイヤについで3番目に多いとされています。
モルモットは甘柿を良く食べてくれるので、コミュニケーションを取りたい時のご褒美として使えます。
食欲が落ち加減の時でも甘柿は比較的良く食べてくれるので、調子がいまひとつかな、という時の急場しのぎにも使えます。
モルモットに柿をあげるデメリットは?
柿に限らず、糖分の多い果物は食べ過ぎると肥満になりやすいです。また、甘いものを摂り続けると虫歯になるおそれもあります。柿ばかり欲しがって主食の牧草やペレットを食べなくなる心配もあります。
また、渋みの残っている柿、いわゆる渋柿には「タンニン」が多く含まれているので注意が必要です。
タンニンとはどんなものなの?
柿渋や栗の渋などの苦くて渋い成分がいわゆる「タンニン」。多くの植物の葉、樹皮、小枝、根などに含まれ、その苦み渋みによって葉が動物や虫に食べられるのを防いでいます。
タンニンが渋く感じるのは、口に入れた時に舌や口腔粘膜のタンパク質と結合し、粘膜を収れんさせる作用があるからです。
このタンパク質と結合する性質が、皮を硬くしたり腐敗させたりするタンパク質を取り除く「皮のなめし」に使われます。タンニンという名称が英語の「tanning(皮をなめす)」からきているのはそういう理由からなのです。
タンニンがモルモットに与える影響は?
タンニンは多量に摂取すると消化効率を低下(例:便秘)させ、腎臓や肝臓に負荷を与えることもあります。
森林でドングリ(タンニンが高濃度で含まれている)を食べて生活しているアカネズミなどは、夕ンニン結合性唾液タンパク質とタンナーゼ産生細菌(腸内細菌)の2つの働きでタンニンを特異的に分解する力を持っていますが、モルモットにはこういったものは備わっていません。
モルモットがタンニンをどれくらい摂取したら危険なのか、詳しいことはわかっていませんが、ちょっとでも安全でないものは与えるべきではないでしょう。
安全な柿とダメな柿
普通に甘柿として販売されているものや渋抜きをした渋柿(樽柿や干し柿)は、モルモットに食べさせても大丈夫です。これらの柿に含まれるタンニンは既に安全なもの(不溶性タンニン)に変化しているからです。また、前述のとおり柿は他の果物よりビタミンCが豊富で食物繊維も多めなので与えるメリットはあります。
ダメな柿は渋柿です。渋柿には「柿渋(かきしぶ)」と呼ばれる可溶性タンニン(モルモットにとって良くないもの)が含まれているので、それををそのまま与えてはいけません。また、渋抜きに不安があるような自家製のものも与えないでください。
いずれにしても、主食は牧草、次いでペレット、野菜や果物はあくまで副食というスタンスを守り、果物は度を越して与えることのないようくれぐれも注意してくださいね。
まとめ
柿は他の果物に比べてビタミンCが豊富で食物繊維も多めなので、基本的にはモルモットにあげて良い果物と言えるでしょう。
ただし、与えて良いのは甘柿や完全に渋抜きをした渋柿(樽柿や干し柿)のみ。渋柿にはモルモットにとって良くない可溶性タンニンが含まれているので、渋抜きをせずにそのまま与えることは絶対に避けてくださいね。